顎関節症

顎関節症とは?
顎関節症は、2人に1人が経験するといわれるほど一般的な症状です。口の開閉時に顎関節から音がする「関節雑音」、口が開けにくい「開口障害」、顎の痛みなどが主な症状として見られます。さらに、これらの症状に加えて、頭痛、肩こり、めまい、目の疲れなどのさまざまな副症状が現れることもあります。
なお、音がするだけで他の症状がない場合や、症状が一時的な場合は、特に施術の必要がないことが多いとされています。実際に施術が必要になる方は比較的少ないといわれています。
顎関節症の根本原因は?
頭部には、顎関節(がくかんせつ)と呼ばれる関節があります。これは、下顎骨にある「下顎頭(かがくとう)」と、側頭骨(そくとうこつ)にある「下顎窩(かがくか)」および、その前方にある「関節結節」によって構成されています。これらの骨の間には、クッションの役割を果たす「関節円板(かんせつえんばん)」が滑液とともに存在しています。
下顎骨を動かす筋肉には、顎を閉じる働きをする「咀嚼筋(そしゃくきん)」があり、具体的には「咬筋(こうきん)」「側頭筋」「内側翼突筋(ないそくよくとつきん)」「外側翼突筋(がいそくよくとつきん)」などがあります。一方で、顎を開く動作には「舌骨筋群」が関与しています。
下顎骨には、これらの筋肉が付着しており、顎の運動を行います。個人差はありますが、咀嚼には一定のリズムがあり、このリズムが乱れると、下顎頭や関節円板に大きな負担がかかり、摩耗や変形が生じることがあります。症状が悪化すると、痛みや関節の雑音、咀嚼筋の緊張による開口障害が発生し、顎関節症につながる可能性があります。
こんなお悩みはありませんか?
顎が痛い
口を開けた時の顎の痛みや不快感
顎の開閉が制限される感覚(大きく開かない、閉じづらい)
顎の音やカクカクとクリック音が鳴る
耳や側頭部の痛み・不快感
頭痛やめまい、目の奥の痛み
などの症状はありませんか?
歯科的な要因のほかに、ストレスや外傷、生活習慣の変化など、さまざまな要因によって引き起こされる可能性があります。
また、硬い食品の咀嚼や長時間の咀嚼を避けること、頬づえをやめること、姿勢を良くすること、歯の食いしばりに気づいた際に上下の歯に隙間をつくること、強い緊張を感じる環境を調整することなどが、症状の軽減につながるとされています。
顎関節症に対する当院の考え
顎関節周囲の筋肉に痛みがある部位や、頭部全体の筋膜リリースを行い、血行を促す施術を実施しております。副交感神経が優位になり、リラックスしやすい状態へと導きます。また、ストレスや不定愁訴などの症状を和らげるために、顎関節のみではなく頭部全体への施術を行い、根本的なケアに努めています。
顔や頭部の筋膜リリース(筋膜はがし)を行うことで、表情筋や顎の関節が動きやすくなり、可動域の拡大が期待できます。また、筋力向上や基礎代謝の向上にもつながります。さらに、肩や首のこり、リンパの流れや血流の滞りによる不調の軽減が期待でき、顔のむくみやたるみの予防など、美容や健康の面でも良い影響が期待できます。
顎関節症はなぜ起こるのか?
顎関節症が起こる原因として、顎関節や顎の筋肉の構造的な弱さや不良な噛み合わせなどが挙げられますが、生活習慣が影響する場合も多いです。日常生活の中で歯ぎしりをしている、起床時や日中に無意識に歯をくいしばっていることがあります。食事の際、左右どちらか一方で決まった側だけで噛んでいることもあります。
物事に対して神経質な一面があり、職場や家庭でストレスを感じやすいことも原因の一つです。夜の寝付きが悪い、ぐっすり眠れない、途中で目が覚める、また高い枕や硬い枕の使用、就寝時の姿勢(うつぶせ寝)も影響します。
さらに、携帯電話やスマートフォンの長時間の操作も関与しています。楽器演奏や歌唱、発声練習を行っている方にも見られることがあります。
顎関節症を放っておくとどうなるのか?
顎関節症を施術せずに放置すると、顎の局所的な炎症にとどまらず、症状が進行して全身に影響を及ぼす可能性があります。
初期の段階では、自覚のないうちにズレが大きくなり、口が開けにくくなるだけでなく、食事の際に顎が疲れやすくなるなど、日常生活に支障をきたすことも考えられます。さらに症状が進むと、噛み合わせのバランスが崩れ、肩やこめかみ、腰などが緊張しやすくなります。
また、噛む筋肉(側頭筋)の上を通っている視神経に影響が出ることで、目の奥に痛みや違和感を覚えることもあります。その他にも、顎関節は耳の近くにあるため、耳鳴りやめまいにつながることが考えられます。
顎関節症に効果的な当院の施術メニューは?
当院の顎関節症の軽減に適した施術メニューは、「ドライヘッド矯正」です。期待できる効果としては、噛み合わせのバランス調整、頭痛、めまい、睡眠の質の向上、眼精疲労、自律神経の乱れによる不調の軽減や、小顔効果が挙げられます。
施術の対象となる部位は、主に頭部、顎関節、頸部、胸筋に注目しながら行います。アプローチする筋肉としては、顎の周囲にある側頭筋や咬筋を緩めることで、顎関節症による痛みや重だるさを和らげます。また、胸鎖乳突筋や斜角筋に施術を行い、頸部や頭部の血流量を高めていきます。さらに、神経の状態を整え、左右のバランスを調整することも意識して施術を進めます。
施術時の圧の加減は、痛みを伴うほど強くは行わず、心地よく受けていただけるよう調整いたします。
その施術を受けるとどう楽になるの?
ドライヘッド矯正は、不定愁訴である頭の重だるさや睡眠障害、ストレスなどの軽減が期待でき、自律神経のうち副交感神経を優位にすることで、頭部だけでなく身体全体への施術効果も期待できます。
また、頭の骨や顔の骨のバランスを整え、顔全体の筋肉の血流を促すことで、むくみの軽減にもつながります。特に女性のお悩みに多い、小顔効果が期待できる施術でもあり、顔の左右のバランス、鼻のライン、目の大きさ、むくみ、口角、フェイスラインなどにもアプローチしていきます。
ドライヘッド矯正が気になる方は、ぜひ一度施術をお試しください。
顎関節症を軽減するために必要な施術頻度は?
顎関節症や頭痛、不眠症の軽減を目的とする場合、推奨される施術頻度は週に2回のペースで12週間から24週間となります。長く感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、骨格を調整したり、自律神経を整えたりするには時間がかかるため、継続的な施術が大切です。
また、小顔効果を期待される方の施術回数は基本的に24回から48回が目安となり、施術後は月に1回のメンテナンスを推奨しております。