肩甲骨はがし
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肩甲骨はがしとは?
肩甲骨はがし
最近よく聞く言葉ですが
実際にそれがどんな物かを知ってる方は少ないのでないでしょうか?
そもそも、なぜ肩甲骨をはがす必要があるのかを理解していないと
肩甲骨はがしをどういうものか理解するのは難しいです
まず肩甲骨の構造のお話をすると
肩甲骨とは肋骨、上腕骨、鎖骨と骨と骨の繋ぎ目、すなわち関節を作っています
その中の肋骨と肩甲骨で構成される肩甲胸郭関節こそが
肩甲骨はがしで動かされる関節となってます。
この肩甲胸郭関節が硬くなると、他の関節である上腕骨と肩甲骨でできる肩関節
鎖骨と肩甲骨でできる肩鎖関節の動きが悪くなり
肩の動きずらさ、肩こり、運動機能の低下などの大きな問題につながっていきます
さらに背中から背骨に繋がる筋肉なども肩甲骨に多くついてるため
肩甲骨の動きの悪さは背中の辛さ、そして背骨の動き辛さに繋がってしまいます。
つまり肩甲骨はがしとはその肩甲胸郭関節を動かしていき、正しい位置に戻す治療なのです。 -
肩甲骨まわりが固くなる原因とリスク
肩甲骨が硬くなるとはよく言われますが、実際はどこが硬くなってるかを説明すると
先ほど名前を挙げたこの肩甲胸郭関節が硬くなる事を指しています
この肩甲胸郭関節は機能的関節と言われ、他の関節と違って関節包がなく
関節包とは関節を動かしやすくする、骨の骨の間を包み
関節液と呼ばれる関節の動きを良くする液が中に入っています
それにより必要最低限の動きを保証されています。
しかしこの肩甲胸郭関節にはその関節包が存在してなく
肋骨と筋肉により連結しているのみの構造となります。
ゆえに関節としての最低限の保証がなく、可動域には大きな個人差が生まれます
そのため、長時間のデスクワークやスマホ利用により肩甲骨動かさない時間が長ければ長いほど肩甲骨はどんどんと硬くなり
殆ど動かすことができなくなります。そうなってしまうと、肩甲骨が前で固定されてしまい、肩が前に行ってしまう、俗にいう巻き肩になってしまいます
巻き肩になると背骨も前へ引っ張られ、姿勢が悪くなるのと
首肩の筋肉も常に緊張してしまうため、常に肩こりの問題が出てきてしまいます。さらに肩甲骨が動かなくなると当然肩の動きも悪くなります
肩甲上腕リズムと呼ばれる肩を上にあげたときの上腕骨と肩甲骨の動きの法則があり
肩を30度より上にあげたとき、上腕骨が2度上に上がるたび、肩甲骨も1度動くという法則があります
つまり、肩を120度上げたとき肩甲骨も60度動いていないと肩は120度上げることはできません
それだけ肩と肩甲骨の動きには密接な関係があるため
肩甲骨が動かなくなれば、肩関節の動きが悪く
俗にいう肩が上がらないという状態になります
そうなると電車でつり革がつかめない、高いものが取れないなどの日常生活上で問題が起きる可能性が高くなっていきます。さらに肩甲骨が固まる=肩甲骨周りの筋肉が固まるということなので
首肩、背中などの上半身の動きのすべてがかかわってきます
そうなれば肩こりだけの問題ではなく腕の動かし辛さも出てきてしまい
肩の痛みや肘の痛みも出やすくなってしまい
具体的な症状として、肩関節周囲炎、腱鞘炎が起きやすくなっていきます。
痛みだけではなく、スポーツをやられる方もこの問題には大きくかかわっています
肩の可動域が低いと、投球動作やテニスなどの球を打ち返す、ボールを高く上げるなどの動きが悪くなるのと
上半身が固まったまま動くため、疲労が出やすく、長時間のスポーツ活動が厳しくなり
怪我のリスクも高まっていきます
外側上顆炎、俗にいうテニス肘は肘の外側が過度に引っ張られるためにおこる怪我です
肩甲骨が硬くなると、球を打ち返したときに来る衝撃が本来筋肉に覆われた肩甲骨が引き受ける衝撃が直接肘へといき、結果テニス肘となりやすくなります。その他にも肩甲骨が固まることで引きおこる問題は多々あります。
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肩甲骨はがしをするメリットとは?
ここまで肩甲骨周りの構造と肩甲骨の硬くなる理由についてのお話をさせていただきました。
では肩甲骨はがしをするとどんなメリットがあるかもお話致します。まずは肩こりの解消です
肩甲骨は多くの筋肉とつながっており、頸や肩、背中に繋がる筋肉が繋がっています
肩甲骨が硬くなり、前へと言ってしまうと、その筋肉すべてが動きづらくなり
常に伸ばされた状況となり過緊張の状態となってしまい常に肩こりや上半身のおもだるさに繋がります。
肩甲骨はがしをすると、その状態が解消されるため、肩こりや上半身のおもだるさが解消されます次に姿勢の改善も期待できます。
肩甲骨が前に行ってしまうと肩が前に行ってしまい
上半身が前で固定されるため、身体が丸くなり、姿勢が悪くなります
逆に言うと肩甲骨の位置が正しい位置に来ると
上半身を後ろに固定できるため、姿勢が良くなりやすくなります
自分でできる肩甲骨はがし
ご自身のできる肩甲骨はがしとしては
まず第一に肩甲骨を動かす意識をすることが重要です
肩甲骨を動かす意識や感覚がつかめないままでやると
腕の動きで変わりに動かしてしまし、逆に肩を痛める結果に繋がりやすいです。
肩甲骨の動きを意識する方法としては、四つん這いで床に手をつき
肘を曲げずに背中の肩甲骨を動かすイメージで
床に身体を近づけます、そうすると背中で肩甲骨が動いてくるので
そのまま背中の肩甲骨を意識したまま、肩甲骨を頭側と足側の上下に動かしてください
それらを繰り返すことで肩甲骨の動くイメージがしやすくなっていきます。
肩甲骨の動きを意識していくと肩甲骨周りのケアの方法やセルフケアの効果アップ
そして怪我のしやすさが大きく変わっていきます。
当院の肩甲骨はがしとは?
当院の肩甲骨はがしの治療は大きく二つの効果を持っています
肩甲骨周りの筋肉を緩めるのと肩甲骨の位置を正しく戻す二つです。
背中全体にかかわる広背筋、肩を後ろに持っていく棘下筋、肩を上にあげる棘上筋
肩甲骨から首に繋がっている肩甲挙筋などを緩めていき
肩の辛さや、動きずらさを解消していきます。
肩甲骨の位置を戻す効果としては、当院の肩甲骨はがしでは特に前鋸筋と呼ばれる筋肉をアプローチしていきます。
この前鋸筋は肋骨(第1から第9肋骨)から出ていており、肩甲骨の裏側に繋がっています
その見た目が鋸(のこぎり)の刃のように見えるために前鋸筋と呼ばれています
その作用としては肩甲骨の安定性を高めるのと、肩甲骨を前に持っていく作用があります。
すなわちこの前鋸筋が固まると肩甲骨が前で固定されてしまうため
肩甲骨の位置の悪さにかかわる筋肉になります。
当院ではその前鋸筋をアプローチすることにより肩甲骨の位置を正しいところにもどしていきます。